「これくらいで傷つくなんてダメ」
「私が我慢すれば丸く収まる」
「悲しんでいる場合じゃない。早く前を向かなきゃ」
毎日を真面目に頑張っている方ほど
こんなふうに自分の気持ちを後回しにしてしまうことがあるのではないでしょうか。
家族や職場のことを優先して、周りに気を配って、やるべきことをきちんとこなす。
それは、あなたの優しさや責任感の表れなのだと思います。
ですが気づかないうちに「自分は本当はどう感じているのか」を
置き去りにし続けていると、心は少しずつ疲れていくことがあります。
理由はよくわからないけれど、心が重い。
人に優しくできない日がある。
ちょっとしたことで、涙が出そうになる。
何がしたいのか、何が嫌なのかも、わからなくなる。
そんな状態になっているとしたら
もしかすると心が「もう少し私の気持ちにも気づいてほしい」と
伝えようとしているのかもしれません。
今日は、自分の気持ちを無視し続けるとどうなりやすいのか、
そして心を置き去りにしないためにできることを、お伝えしていきたいと思います。

感情は、あなたを困らせるものではなく「心からのサイン」
悲しみ、怒り、不安、寂しさ、悔しさ・・・
できれば感じたくない、と思う感情、ありますよね。
特に、いつも前向きでいようと頑張っている方ほど
ネガティブな感情を「よくないもの」として扱ってしまいがちです。
ですが感情は、あなたを困らせるために生まれてくるものではありません。
悲しいときは「私にとって、それだけ大切なものだったんだ」と
心が教えてくれているのかもしれません。
怒りを感じるときは「本当は嫌だった」「これ以上、無理はしたくない」と
自分の境界線を教えてくれているのかもしれません。
不安を感じるときは「安心したい」「少し準備が必要かもしれない」と
心が安全を求めているサインなのかもしれません。
感情は、いわば、言葉になる前の心の声です。
だからすぐに消そうとしたり、正しい・間違っていると裁いたりしなくても大丈夫です。
まずは「私は今、こう感じているんだな」と、ただ気づいてあげること。
それだけで十分なのだと思います。
気持ちにフタをすると感情が消える、わけではない

つらい出来事があったとき、すぐに気持ちと向き合えないこともありますよね。
忙しくて考える余裕がないとき。
誰かを支えなければならないとき。
傷つきすぎて、感じること自体が苦しいとき。
そんなときに一時的に気持ちにフタをすることは、自分を守るために必要な一つの方法でもあります。
無理に感情を掘り起こさなくても、大丈夫です。
ただ、心理学の世界では、このような考え方があります。
精神分析を創始したフロイトは
感じきれなかった感情は、消えてなくなるわけではなく
心の奥・・・「無意識」と呼ばれる場所に、そっとしまい込まれていく、と考えました。
しまい込まれた気持ちは、忘れ去られたように見えても
実は心のどこかにそのまま残っていて、時間が経ってから、ふとした瞬間に、
思いがけない形で顔を出すことがあるのだそうです。
なるほど、思い当たることはありませんか?
ふとした一言に、必要以上に傷ついてしまう。
小さなことで、なぜかイライラしてしまう。
同じ出来事を、何度も思い出してしまう。
人に合わせているのに、心のどこかが満たされない。
何がしたいのか、何が嫌なのか、自分でもよくわからない。
理由ははっきりしないのに、ずっと気持ちが重い。
もろちん、こうしたことがあるのは全て「感情を抑え込んでいるせい」とは限りません。
疲れや環境の変化、体調など、理由はさまざまだと思います。
ですが、自分の気持ちを後回しにすることが多い方は、
もしかしたら心からのサインなのかも・・・
一度、立ち止まって心を見つめてみてもいいかもしれません。
心が置き去りになると、本音がわからなくなることがある
人に気を遣うことが当たり前になっていると
「相手はどう思うかな」「これをしたら迷惑かな」と
いつも周りの気持ちを優先してしまいやすくなります。
すると少しずつ、自分の気持ちを確認する機会が減っていきます。
本当は疲れているのに、「まだ大丈夫」と言ってしまう。
本当は嫌なのに、「いいよ」と引き受けてしまう。
本当は助けてほしいのに、「私がやらなきゃ」と頑張ってしまう。
そんなことを繰り返していると、
いつの間にか自分が何を望んでいるのか、わからなくなっていくことがあります。
「別に嫌なわけじゃないはずなのに、なぜか苦しい」
「不満があるわけではないのに、毎日がなんだか空っぽに感じる」
「やりたいことを聞かれても、すぐに答えられない」
これは、あなたが弱いからでも、意志がないからでもありません。
長い間、周りの声を優先し続けてきたことで
自分の心の声が少しずつ小さくなっているだけなのだと思います。
自分らしい人生を選んでいくためには、大きな決断をする前に、
まず「私はどう感じているのかな」と、自分に尋ねてみる時間が必要なのかもしれません。
「感情を感じきる」とは、つらさに飲み込まれることではない
心を置き去りにしないということは、悲しみや怒りにずっと浸り続けることではありません。
また、「感情を感じきれば、すべて解決する」ということでもないと思います。
大切なのは、感情をなかったことにしないこと。
私は、まだ悲しいんだね。
あの時、本当は嫌だったんだね。
大切にしてほしかったんだね。
怖かったんだね。
よく、ここまで頑張ってきたよね。
そんなふうに、自分自身が今の気持ちに気づき、そっと受け止めてあげる。
それだけでも心は少し、安心することがあります。
私たちは誰かに分かってもらえない時、とても苦しくなりますよね。
でも分かってもらえた時は、安心しますよね。
それは自分でも同じです。
自分で自分の気持ちをわかってあげられた時にも心は少しホッとする
ものなのだと思います。
今までずっと我慢してきた気持ちが、「やっと気づいてもらえた」と感じるのかもしれません。
すぐに悲しみが消えたり、状況が変わったりするわけではありません。
ですが、ギュッと握りしめていた思いが、ほんの少しずつ緩み始めるのかな、と思います。
心を置き去りにしないために、今日からできる3つのこと
1. 「どう思う?」ではなく、「どう感じている?」と自分に聞いてみる
何か迷ったとき、私たちはつい、頭で正解を探しがちです。
「こうするべきかな」「どちらが損をしないかな」「みんなはどうするかな」
もちろん、現実的に考えることも大切です。そのうえで、少しだけ自分の心にも尋ねてみてください。
私はこれを聞いてどう感じた?
本当はやりたい? やりたくない?
安心する? 苦しくなる?
今の私に必要なものは何だろう?
はっきり答えが出なくても、大丈夫です。
「よくわからない」と感じるなら、それも、今の大切な答えなのだと思います。
急がずに、自分の心の声が聞こえてくるのを、待ってあげてくださいね。
2. 気持ちを短い言葉で書き出してみる
気持ちが混乱しているときは、頭の中だけで整理しようとすると、
同じことをぐるぐる考え続けてしまうことがあります。
そんなときは、ノートやスマホのメモに、短い言葉で書いてみるのもお勧めです。
今日、少し嫌だったこと。
今日、嬉しかったこと。
本当は言いたかったこと。
今、心配していること。
今の自分にかけてあげたい言葉。
きれいにまとめる必要はありません。
「疲れた」「悲しい」「なんか嫌」「でも頑張った」・・・それだけでも、十分だと思います。
気持ちを言葉にすることで「私はこんなことを抱えていたんだ」と自分を理解するきっかけになります。

3. 今の自分に必要な「小さな優しさ」を選ぶ
本音に気づいたからといって、すぐに環境を変えたり
大きな決断をしたりしなければならないわけではありません。
「疲れている」と気づいたなら、早めに眠る。
「一人になりたい」と思ったなら、少し静かな時間をつくる。
「誰かに聞いてほしい」と感じたなら、信頼できる人に話してみる。
自分の気持ちを大切にすることは、わがままではありません。
今の自分にできる範囲で、小さな優しさを自分に渡してあげること。
その積み重ねが「私は私を大切にしていい」という感覚に、少しずつ繋がっていきます。
心の声に気づくことが、手放すことにもつながっていく
手放せない思いがあるときも、その奥に本音が隠れていることがあります。
忘れられない相手のこと。
過去の失敗。
許せない出来事。
離れたいのに、離れられない人間関係。
そこには、「大切にしてほしかった」「認めてほしかった」「本当は悲しかった」「一人になるのが怖い」・・・
そんな気持ちが眠っているのかもしれません。
本音を置き去りにしたまま「早く忘れなきゃ」「手放さなきゃ」と急いでも
心がついてこないことがあります。
だからこそ、まずは心の声を聞いてあげること。
自分が自分の気持ちを理解できたとき、抱え込んできた重さが少しずつ軽くなり
自然と手放しやすくなっていくことがあります。

毎月、満月の翌日には「無償一斉 満月の手放しワーク」を開催しています。
手放すために無理をするのではなく、今まで頑張って抱えてきた重さを
愛と感謝とともに少しずつ緩めていくための時間です。
自分の気持ちがわからなくなったときは、すぐに答えを出そうとしなくても大丈夫です。
まずは、「私は今、何を感じているのかな」と、少しだけ、ご自身の心に目を向けてあげてくださいね。
あなたが自分の心の声に寄り添いながら、自分らしい一歩を選んでいけますように。
